【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
雪兎はネジがとれたような青ざめた顔をしていた。



雪兎…雪兎……雪兎………大好き…………。



こんなにも、好きなのに。



どうして好きと言えないの?



どうして正反対の言葉を言ってしまうの?



好きな人が自分を好きと言ってくれた。



すごく…すごく嬉しかったのに。



なんで自分も相手も傷つくようなこと、言っちゃうの…?



そんなの、誰も幸せになんてなれないのにね…。



沙紀さんだって、私がこんなに雪兎と仲良くしていたらきっと傷つくに決まっている。



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