【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
結局誰も、シアワセニハナレナイ…。



「…嫌い、か…。わかったよ。そこまで言うなら、もう会わねえよ」


そう冷たく言い放ち、視聴覚室から出て、すぐ近くまで来ていた女子軍を連れてどこかへ行ってしまった。



ツーと涙が頬を伝って流れだした。



お互い、幸せになんてなれない…。



でも、これでよかったんだよね…?



沙紀さんのためにも、私のためにも、雪兎のためにも、これでよかったんだよね…?



雪兎…このときの私の選択は、間違っていたの…?



あなたはこのとき、どれだけ傷ついたの…?



きっと…私よりも、深い傷を負ってたね……。



本当にごめんね、雪兎…………。



私はその場に泣き崩れた。

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