【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
バンッ!


いきなり視聴覚室のドアが勢いよく開いた。



え?雪兎!?



わずかな期待を胸に、顔をあげる。



でもそこにいたのは…



「おいっ!大丈夫かよ!?」



…昨日、雪兎に対してひどい発言をした崎田だった。


崎田は私の顔を見て、血相を変えて私の肩を揺さぶった。



「おいっ…お前、泣いてるのか!?原因は、やっぱりあいつか!?」



あいつ…。



崎田が言う“あいつ”とは、多分雪兎のこと。


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