【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
今まで一度も見たことがない、雪兎のすごく冷たい目。



雪兎の周りにいる女子たちの視線も、すべて私に集中する。



「どっか行けよ」



雪兎は私とは目を合わせずに、低い声でそう言った。



「なんで…雪兎様と癒杏様って、仲良かったんじゃないわけ?」



1人の女がそう呟いた。



それに続いて、他の女の子たちも騒ぎ始めた。



私は何も言い返せず、ただその場に立ち尽くしていた。



その場から離れようとしない私を見て、雪兎は女の子を連れて離れて行ってしまった。



「…はは……。自業自得…」


再び涙が溢れ出した。

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