【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
バカみたい。



自分から雪兎に嫌われるようなこと言ったのに、次々と涙が止まらない。




今まで喧嘩はしょっちゅうあったけど、あんなに冷たい言い方されたのは初めてだった。



「…ほらな。言っただろ」



後ろから声がし、はっと振り返る。



「崎田…ごめんね」



「わかったらもう二度とあいつに近づくな」



崎田はポケットに手を突っこんだまま、そう言い放った。



「なんで…そこまで言うの?」



…わからない。崎田がそこまで気にするのかが。



< 124 / 156 >

この作品をシェア

pagetop