【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
一昨日、仕方なく登録した名前。



その名前がなぜディスプレイに…?



私はその名前に完全に目が覚め、長く鳴り響く着信音に電話だということを知らされる。



どうしよう。


今、この人とは関わりたくない…。



でも、でなきゃいけないような気がして、仕方なく携帯を手に取った。


私はドキドキしながら電話に出た。



「…はい?」



『もしもし!癒杏ちゃんよね?沙紀よ。今から雪兎とフランスに帰るんだけど…』



一昨日とは打って変わって、すごく乱暴な口調。



ドクンッ。


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