【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
「私たちの関係を誤解されたくないのよ。実際、私たちはただの幼馴染でしょ?そう毎日くっつくことないじゃない」



私は冷静に、言葉を探しながら1つ1つ丁寧に言った。



雪兎の顔がいっきに青ざめた。



なんでそんなにショック受けてんのよ…。



「ってことで佐伯様は私がお借りしますわ」



さっきまで凝視していた女が、急に明るい声で言った。



「はいはい。どーぞ」



私はめんどくさそうに返した。



そういえば雪兎って来週になったらまたフランスに帰るんだっけ?



それまでの辛抱だ。頑張れ、癒杏!


「あの…」



「は、はい?」



昼休み、突然女の子たちから声をかけられた。



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