【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
そう言った雪兎の目は、どこか寂しげだった。



「な…によ。悪いのはあんたのくせに」



「確かに、俺はお前をたくさん傷つけた。でも、その中で誤解されてることもある。お前にわかる?好きな奴に誤解されて虚しい気持ちが…お前に……わかるのかよ!」



最後には声を荒げ、私はビクッとなってしまった。



って、好きな奴…?好きな奴って誰…?



一瞬、そんな疑問が浮かんだがすぐに消えた。


…そっか。雪兎はあの美帆って女に誤解されてるんだ…。それで私にその気持ちを…。




てか、私にぶつけられても困るんですけどー!



「……けないで」



「は?」



「ふざけないで!私になんてわからないわよ!!当たり前でしょ!言いたいことがあるなら、ちゃんと本人に言えばいいじゃないっ!!なんで私に言うのよ!!!!!」



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