【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
『癒杏は雪兎様のこと、本当は好きなんじゃないのかなーって』



朝聞いた怜奈の言葉が、私の頭の中でリピートされる。



「私は…」


…はっ。



足をとめ、一点を見つめるようにぐっと目を凝らした。



向こうから走ってくる人物。




それは……………




「雪…兎……?」



こっちに向って走ってくる雪兎。



その姿に、私はドキッとする。




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