恋愛アドバイサーズ


「あぁ、だから、俺が、『あのゲーム買ってきて良いですか?』って聞いたら『他社だからダメ』って」

「……はぁ」

「………………だから辞めちゃったんだよねぇ」


……お前もか。


「えっ!!じゃあ、青木先輩は?」

私は中井先輩のすぐ横でゲームを見つめている青木先輩に声をかけた。


「あ〜。俺は……」

「確か大工見習いになったんですよね?」

病弱な青木先輩は、その病弱を治すために大工を目指していた。

それは双葉先輩も公認だ。



「そのつもりだったんだけど、『がんばろう頑張ろう』って思う度に、精神的に追い詰められて、熱が出て下がらなくて。

結局、一度も現場に出ないままクビに……」


悪化してるぅぅぅぅ!!!

なんで?前はもっと身体的な病弱だったのに!!
今回は精神的にも?!



…………大丈夫なのか?この会社は。



「あの〜……ちなみに山田先輩って卒業してから何をしてたんですか?」

「勿論、僕は……」

「その前に、僕の事も聞いてくださいよ」

部長がしゃしゃりでてきた。

自分だけ聞かれなかったことが寂しかったとみえる。



「部……社長はなにを?」
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