恋愛アドバイサーズ
1章 花唄歌えば

お客様は先生様





恋愛アドバイサーズに入社して数日たった。


最初は勝手に辞退されて怒っていた私だが、いざこの会社に入社すると、やっぱり高校時代の思い出っていうのかな。

あの充実感が戻ってきて、なんだかこれで良かったって思えてきたんだよね。



1つ不満を言えば『宮城がここにいないこと』だけど、宮城は宮城の夢があるし、それに向かって頑張ってほしいって思う。

それに、家に帰れば会えるわけだし、私ばっかり文句も言ってらんない。


今日も天気は最高で、お日様の光を浴びてると自然と笑みがこぼれる。












「あ〜……暇ですね」

窓から外を見てポツリと部長が呟く。

手にはアヒルの人形が握り締められている。


「開業したばかりですからね。まだ、あまり知られてないんでしょう」

すかさずインテリメガネの声が入る。


「そうですけど〜……でもでもでも、こんなに暇ならすぐに倒産しちゃいます!!」

「だったらビラ配りでもしますか♪」

そう言った時、コンコンとドアをノックする音が部屋中に鳴り響く。
< 14 / 37 >

この作品をシェア

pagetop