恋愛アドバイサーズ
1章 花唄歌えば
お客様は先生様
恋愛アドバイサーズに入社して数日たった。
最初は勝手に辞退されて怒っていた私だが、いざこの会社に入社すると、やっぱり高校時代の思い出っていうのかな。
あの充実感が戻ってきて、なんだかこれで良かったって思えてきたんだよね。
1つ不満を言えば『宮城がここにいないこと』だけど、宮城は宮城の夢があるし、それに向かって頑張ってほしいって思う。
それに、家に帰れば会えるわけだし、私ばっかり文句も言ってらんない。
今日も天気は最高で、お日様の光を浴びてると自然と笑みがこぼれる。
「あ〜……暇ですね」
窓から外を見てポツリと部長が呟く。
手にはアヒルの人形が握り締められている。
「開業したばかりですからね。まだ、あまり知られてないんでしょう」
すかさずインテリメガネの声が入る。
「そうですけど〜……でもでもでも、こんなに暇ならすぐに倒産しちゃいます!!」
「だったらビラ配りでもしますか♪」
そう言った時、コンコンとドアをノックする音が部屋中に鳴り響く。