恋愛アドバイサーズ

「キャー」っと叫んで椅子に座りなおす部長に、背筋を伸ばし、コツコツと靴音をさせドアの方へ向かうインテリ。
慌ててゲームのセーブをする中井先輩に動く気配のない青木先輩。
そして髪をとかす美鈴先輩。
全員がソワソワしている。


だってアドバイサーズのお客様第1号だから。

みんな緊張しているんだ。もちろん私だって緊張している。



「どうぞ」

インテリがドアノブをまわし、お客様に一声。


「あっ失礼します」
と少し高めの声が聞こえ、お客様は部屋に入ってきた。



スレンダーな女性。スラッと長い足に、清潔に1つにまとめられた長い髪。
爪には透明なマニキュア。大人の女という表現が似合いそうな軟らかな笑顔を持つ女の人。









…………。







静かな気まずい雰囲気が流れる。





あれ?

そうか。いつも部長が話し出すんだ。




なのに、部長が黙ったままだから、こんな空気が流れるんだ。




「部……長??」

メンバーが部長の方を一斉に見るが、部長はただただその場に固まったまま、突っ立って女性を見ていた。




何あれ??
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