恋愛アドバイサーズ


すると女性が小さな声で呟く。


「俊……哉…………」





……もしかして、
もしかする??











「お久しぶりです。先生……」


先生かいっ!!

紛らわしい!!




「ビックリした。ここで働いてるなんて思わなかったから」

「それは僕も同じですよ。ここにあなたが来るなんて思ってませんでした」


そりゃそうよねっと笑い出す2人だけど、その笑顔は引きつり気味で、その様子は何だかおかしくて、本当に先生と生徒という関係だけなのかわからなくなった。



ソファーに座るように促し、紅茶を注ぐと先生と呼ばれた女性が口を開いた。



「何年ぶりだろ?あなたが高2の時に教育実習して以来だから……」

「8年ですね」

少し寂しそうな顔をする部長と先生。




なんで?
久しぶりの再会なのに、どうしてそんな顔をするの??




その時、
「部長。私たち外へビラ配りに行って来ますね」

と美鈴先輩が言い、インテリ、中井先輩、青木先輩が立ちあがった。


「え??え??」

何が何だかわからない私は1人キョロキョロするが、美鈴先輩に手を引かれ、私たちはビラ配りに出たのだった。
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