恋愛アドバイサーズ
「ちょっちょっと美鈴先輩!!なんでビラ配り?!」
手を引かれながら私は美鈴先輩の後ろ姿に声をかけた。
「宣伝しないと、お客さん来ないでしょ?お給料なかったら嫌じゃない」
美鈴先輩は振り返ってニコリ。
そうだけどさ。でも、なんで今??
「今じゃなくてもいいじゃないですか~」
美鈴先輩は溜息をつくと、真っ直ぐ前を見据えて
「朋ちゃん?人にはね、触れられたくない過去もあるのよ」
といった。
「それってどういう……」
「ほらほらっ!!配って配って♪」
美鈴先輩に促されて、5センチほどある紙の束を手渡される。
……これ、全部配らなきゃいけないの~??