恋愛アドバイサーズ

部長の過去



無事に?ビラを配り終えた私たちは、帰りにコンビニに寄ってお菓子やらジュースやらをたくさん買い占めて事務所に帰ってきた。


まだあの怪しげな雰囲気を出しているのかと恐る恐る扉を開けると、そこにあの女性の姿はなく、いまは、ただ窓の外をボンヤリと眺める部長の姿だけそこにあった。



夕陽にさらされた髪がオレンジ色に染められ、顔はなんだか哀愁漂っている。


こんなの、あのおちゃらけた部長じゃない。


なんだか事務所に入るのも躊躇うほど、部長に似合わないこの空気。


絶えられなくて、でもどうにも動けなくて……今、この事務所に入っちゃいけないんだとなぜだかそう感じたんだ。







しかし……事務所の前に大の大人が5人、それはどうにも可笑しな光景に見えるんだろうなぁ。





……。


…………。






「あっ!!そういえば、今日は最新ゲームの発売日3日前だった。俺帰るわ」

「え??中井先輩?!」

3日前だからって何で帰るの??





「……なんかお腹痛いかもしれないから帰る」

「青木先輩?」

……痛い、かもしれない??


かもしれない???
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