恋愛アドバイサーズ


……でも、やっぱり、いつもよりも部長に元気はない。



「あの……」

私は部長に何を言うつもりなんだろう。


私はどうしたいんだろう。




「ココアでも飲みますか?紅茶にします??コーヒーにします???それとも……あっつくて、濃いお茶にしますか??」

「あっ、私やりますよ」

「いえいえいいんです。僕がやりますから」

「でも……」

「ソファーに座ってゆっくりしていてください」


緩く笑う、部長の顔が見てられなくて胸が無性に苦しくなった。


私に何ができるんだろう。

いつも、いつだって部長に助けられてきた。

元気をもらっていたのに、私には部長を元気にする力なんてない。



私にできるのは、無理に笑顔を作らせるだけだ。



「はい。紅茶にしてみました。どうぞ」

「……ありがとうございます」

「おや、元気がありませんね?チラシ配りで何かありましたか??」

「いえ……」

「何かあったらすぐに言って下さいね。僕でよければ話ききますから」

「ありがとうございます」



って、なんで私が励まされてるのよ。


私が部長の力になりたいのに。

何もできない自分が悔しい。
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