嘘と嘘で始まる
「彼氏には触らせるくせに」

「当たり前でしょ。彼氏なら」

「ふ~ん。彼氏ならいいのか」

私の手を掴んだまま、慎也は顔を近付けてくる。

「彼氏ならこういう事もいいの?」

え?
どんどん近付いてくる慎也の顔を見ながら、私の体は固まってしまった。
慎也の綺麗な顔が…社内でも女性からの人気抜群の顔が…。

キスされる!

てぎゅっと目を閉じると。

「…あ、俺彼氏じゃないからやめとこ」

へ?
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