歌詞集〜路端で咲く詩〜
1人旅
1人きりバスの中で
広がる海を眺め
あの頃の僕が蘇る

降り立った未開の地は
見たこともないような
砂の大地と白い波

ゆらゆらゆら揺れているのは
バスか雲か僕か
それともどれかじゃなく全てなのか

降りしきる光を浴び
波たつ砂浜
サンダルに忍んだ光の粒

隣の空席に
一つだけのリュックが座る
片手に納めて行く
デジタルカメラに写す


僕の漂う心と不安定なリズム波の様にそう気ままに
たまに君に近づいてく

君の優しい微笑みと
心を揺らすリズム
それだけでそう僕は
ギュッと幸せを手にするから



夕暮れの橙色に
染められてく街並み
三歩先の未来も見えないけど

溢れてくため息一つ
明日また笑えるかな?
辛い昨日も笑えるように

隣の空席に
ちっぽけな土産詰め込んだ
大切な人宛に
思い出話と贈るよ

君への漂う想いは不安定に揺れて
白波に打ち付けられ
時にさ迷う弱さもある

だけど僕は声をあげる
遥か遠くの君へ
この想いよせめて遠く
君の居る街へ響け


伝えない想いはまるで
砂浜にうずもれた硝子
果てない時のなかで
輝くことを知らず尽きる

それなら僕は叶わぬこと
知れど幾度も伝えよう
君に届くその時まで
何度でも声に出すよ



空席だった場所に
リュックはもう座らない
僕は囁く様に
この気持ちを君に
伝えるんだ


僕の漂う心と不安定なリズム
波の様にそう気ままに
たまに君に近づいていく

君は少しうつむいて
頬を赤く染める
たった一つの言葉だけで
幸せを手にするから

波の打ち寄せる砂浜
サンダルを手に歩く
並んで刻む足跡だけ
永遠のように繋がる

僕は君を抱き締めて
言葉を一つ贈る
もう何度君に伝えただろう?
僕は……
「君が好きさ」
< 39 / 67 >

この作品をシェア

pagetop