自由帝の笑顔の嘆き
「ある日、あたしらの村にニーズが襲って来たんだ。村の男の人達が戦って私達は避難したんだ。でも、私だけ皆とはぐれちゃって…そしたらあいつらに見つかって捕まっちゃったの」
「おいおい、まさかこの国で奴隷商売が成立してるって言うのか?」
「いや、多分、他の国に寄るついでだと思うんだ」
「ほほぉ〜…。それでこのあとどうするの?」

ロキが聞く。

「うん、村に帰ろうと思ってるんだ」
「大丈夫か?一人で」
「大丈夫。私にはこれがあるから」

リラは腰から二丁の銃を抜く。

「そうか…。じゃあ、お別れだな」
「助かったよ。ありがとうね」

ロキはリラに何枚か硬貨を渡す。

「宿代だよ。好きに使って」
「良いの!?ありがとう!」
「いや、こっちも気になる話を聞いたから。じゃあね」

ロキは城に急ぐ。
勿論、城に帰ってからセバスにこってり怒られたのは言うまでもない。
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