自由帝の笑顔の嘆き
「旅に出るって事がどういう事か分かってるのか?お前は一国の皇子だぞ?」
「でも親父はまだ死なないだろ?」
「当たり前じゃ」
「なら問題無いじゃねえか」
「問題しかありませんから」

セバスが言う。

「大体、護衛も無しに旅に出て山賊とかに出会ったらどうするんですか?」
「倒すのみ」
「道に迷ったらどうするんですか?」
「とりあえず右に」
「もし病気や大きな怪我をしたら?」
「自然治癒で頑張ります!」
「……」

セバスが言葉を失う。

「確かにヘル王国の情勢が気になるのは確かだな…」

父親が呟く。

「だろ!俺に任せとけって」
「…セバス、例の剣を持ってこい」

父親がそう言うとセバスは何処かに行った。
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