自由帝の笑顔の嘆き
「兄ちゃん、何で顔を隠してるんだい?」

パイを半分くらい食べた時に、マスターが聞いた。

「…知りたいか?」

男に逆に聞かれた。

「そりゃぁ…聞きたいけど…まさか逃亡犯とか指名手配犯とか言わないでくれよ?」

男はニヤリと笑うと帽子を少しあげる。
顔を除き見たマスターが驚いた声をあげる。

「ロキ様!?」

ロキが慌ててマスターの口を押さえる。

「一体どうしてこんな所に?」

マスターが声を潜めて聞く。

「ん。城から逃げて来た。暇だったんでね。にしてもパイ美味いな」
「ありがとうございます…。良く逃げられましたね…噂には聞いてましたが…」

その時、店のドアが開いた。
ロキは慌てて帽子を被る。
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