自由帝の笑顔の嘆き
ロキはエアボードを背中にしょって門の上に立っている。

エアボートは移動手段の一つで、反重力を利用したボードだ。
どんなに早いスピードを出しても落ちることが無く、数メートルを飛ぶ事が出来る。

「お、まだ居たか。良かった」

ロキは誰かを確認すると門から飛び降りる。
地面に着く瞬間、反重力が始動し反動も無く止まる。

「よ!リラ!」

リラが驚いた顔をする。

「ロキさん!昨日はありがとうございました」
「ロキで良いよ。それよりもう行くのか?」

リラは背中に大きなリュックをしょっていた。

「うん。家族が心配だからね」
「じゃ、行こうか?」
「うん。分かった。…え?」

リラが驚いた顔を見ながらロキは笑う。
< 20 / 31 >

この作品をシェア

pagetop