自由帝の笑顔の嘆き

一章〜そして世界を見る〜

「良し、リラ。お互いの魔法回路について交換するか？」
「魔法回路？良いよ。あたしはたいてい風だけど？」
「風か…俺は水だからなぁ…」

人は生まれながらにして一つの回路を持っている。
生まれたては回路が未熟だが、成長するに連れ、体内の回路が活性化する。

そして限界まで来たとき、その者は様々な能力を手にする。
あるものは傷を治し、あるものは雷を扱う。
回路が限界まで来るのは人によって違うが、神子と呼ばれる者達が居て、彼、彼女は世界中で一番魔法回路が強いと言われている。
ただ、その存在を知る者は少ない。

「ロキってヘルに何しに行くの？」

リラが聞く。
勿論、リラはロキの正体を知らない。