15のとき
ワタシの居場所
木曜日




私はライブハウス『モンタージュ』へと向かっていた。




今日の朝母親から、夜の8時ころには帰ってこいと念を押されている。



紹介したい人がいるから…と。




私はピンときた。
お母さんは、いま付き合っている人と結婚したいのだ。






一度だけ

男の人の顔は見たことがある。


母に傘を届けに行こうと、勤め先まで足を運んだ。



お店の中から、母はその男と楽しげに話をしながら出てきた。



彼は母のお客さんだった。



母は幸せそうな笑顔のまま彼の車に乗りこむと、二人は夜の街へ消えていった。





< 109 / 189 >

この作品をシェア

pagetop