15のとき
勇気は


私の気持ちを察したのか、

「そんな心配しなくても襲ったりしないよ…!」


クスクス笑う彼…



「奈美ってす~ぐ思ってること顔に出るよな…。」


そう言って、私のおでこをポンッとたたく…。


私は真っ赤に染まるホホをおさえる。



「飯まだだろ?美味いラーメン屋があるんだ!」


「うん…。」





どうしてワタシなんかに優しくしてくれるの…?


彼を信じたい気持ちと
深入りしすぎて裏切られるかもしれないという不安が



ワタシの中で激しくうずまいて戦っていた…。





このとき、ポケットの中でサイレントにしていたケータイが着信の点滅を繰り返していた…






しかしそれに気付くことはなかった…。

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