15のとき
「ただいまー。」



「奈美!奈美なのね…?」



部屋の電気はついたままだった。



キッチンから、奈美が昨日出ていったときのままの格好の母が出てきた。



「あんた、どこ行ってたの?電話にも出ないし…。私は心配で心配で…」



母は私をギュっと抱き締めた。


お母さんの



花の香りがした…。




小さなころのあの感覚が蘇ってくる…





「生まなきゃ…なんて言ってごめんね、奈美…ごめんね…。」





そう言って母は



何度も何度も私の頭をなでた…






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