15のとき
「奈美はさぁ…、休みの日は何してるの?」





いきなり名前を呼ばれてキョドってしまうワタシ…





彼の眼差しは
真っ直ぐ自分に向けられている…







「友達と買い物したり、テレビ見たり…」



喋っているあいだ
ずっとシンゴの視線は私に注がれたまま…



私は…
彼から目をそらさずにいられなかった


吸い込まれてしまいそうなほど澄んだ瞳…

どこか悲しげで
寂しそうで
それでいて果てしなく力強い…

でもその奥までは決して誰にも見せたことがないような…


どうやらワタシは
それにどうしようもなく引き寄せられてしまったみたい…








「そんなに見ないで…。」








すごく
ドキドキする…

こんな体験
初めて………





15歳………。


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