心の思うままに
歩幅合わせ歩く
一歩、二歩
お互いの距離は一定で
歩く速度は変わらずに
前を見て歩く二人
十代、手を繋いで
二十代、腕を組んで
三十代、二人で小さな手を握って
四十代、照れ笑い浮かべながら隣を歩いて
五十代、話さなくとも離れずに
六十代、君の手を引いて横に並ぶ
七十代、横のあたたかさを失わぬように
いくつになっても僕の隣を陣取る
君の体温に慣れた
僕の冷え症だった身体は、いつからか君に温められて
二人一緒の体温になっていて
それが当たり前なんだって顔あげて歩く二人を
若い世代の子が見つめてる
だから僕たちは手を握り
同じ歩幅でその子の前を通りすぎる
恥ずかしいとか、そんな感情もあったけど
僕の隣の体温が嬉しそうに脈打つのを感じて
そんなことどーでもよくなった、八十代
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