失いいくものへの鎮魂歌
画家と言う商売が順調な波に乗っていると言うわけでなく
生活は安定していなかった。

身体障害者…
その現実が俺に重くのしかかっていた

右腕の無い画家…
そんな風なキャッチコピーでテレビのドキュメンタリーで紹介された

俺はそのときどうでもいい気になっていた
やけくそだった。

そんな風にしか周囲に対しても振舞えなかった
もともと人恋しくてそんな風な性格になったのだと思う。




ただ、少し人生を捨てて
開き直ってから人生の運が向いてきた気がする


深夜の放送の三十分程度のドキュメンタリーに出演して
それを境に仕事は急に増えた


それまではアマチュアといっても差し支えなかった俺が
ちゃんとした画家になれた



それはそれで感謝していた

運命に…
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