アタシとじいさん
21
次の日。
アタシは病室で、ケンちゃんの両親を待っていた。
今日はトミさんもケンさんも来ない。
昨日の夜、面会時間ギリギリにいつもの警備室メンバーが来てくれた。
ハルさんもズミさんも、とても心配してくれて、みんなの優しさに励まされた。
トミさんもいつもとかわらない笑顔で「頑張れ」と言ってくれた。
ケンさんはずっと黙っていたけど、帰り際に頭をポンポンとしてくれて、
不器用な彼の精一杯の応援っていうことがよく分かった。
だからアタシは負けない。
ケンちゃんの両親に何を言われても、聞かれても、
きちんと話すんだ。