アタシとじいさん
翔ちゃんはそれを言い終えると「ちょっと便所」と言って、出て行った。
あんなに熱心に語る翔ちゃんを見たのは、
アタシの中学に教育実習生として来た以来のような気がする。
あの時は実習最後の日にお別れの挨拶として語ってた。
アタシはその話を聴き入ってしまったのを覚えてる。
それと同時に「翔ちゃんは良い先生になるなぁ」なんて、
生意気にも思ったんだ。
今の言葉もきっと届いてる。
ありがとう、翔ちゃん。