アタシとじいさん
「ほらひかり。謝りに来たんじゃないだろ。なんか報告あるんだろ」
翔ちゃんの言葉にアタシはこくこくと頷いて、ケンちゃんの手を握りながら言った。
「ケンちゃん…
本当に助けてくれてありがとう。ケンちゃんがいなかったらアタシ…
あのね、あの日ケンちゃんに話したかったことはね、赤ちゃんのことなの。
アタシとケンちゃんに赤ちゃんできたんだよ。
しかも双子。
アタシ、産むって決めた。ケンちゃんのママにもパパにも認めてもらったよ。
ケンちゃん起きるまで、頑張って2人を育てるから…
ケンちゃん早く起きて。
一緒にピクニック行ったり海行こうね。約束だよ!」
言い終えてケンちゃんの顔を見ると「ひー」といつも笑って抱きしめてくれる、彼の表情を一瞬見た気がした。