アタシとじいさん

中庭にひっそりある丸テーブルは、いつも木陰ができていて気持ちいい。


それに歩道から少し離れた所にあるから、人目を気にせずゆっくりできる。



ちょっとしたアタシの癒しの空間だ。







「落ち着くな」



ケンさんがポツリと言った。



アタシ達3人は、麻雀もせずにさっきからボケッとしていた。


苦にならない、気持ち良い静かな時間が流れてく中、アタシは思い出した。





「ズミさん、良いことそろそろ教えてくださいよ」





アタシがそう言うと「しゃーねーなぁー」と言いながら、

だけど嬉しそうにズミさんが教えてくれた。





「来月会うことになったんだ…

その…娘にさ」




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