アタシとじいさん
「なに?」
アタシもチラリと自分の荷物を見る。
翔ちゃんが言いたいことはなんとなくわかっていた。
「お前さ…家どうすんの?引っ越すか?」
アタシの家。
事件があった場所。
お母さんの家。
藤堂が来た家…
「引っ越すというか、出ていくつもり。
あんな家、2度と帰りたくないし」
「気持ちはわかるけど、新しい家はどうするんだ?
なんなら家探し手伝うぞ。
あんま言いたくないけど、金だって必要だろ?」
「それがさ…アテがあるんだよね…格安で」
「は?まさか友達の家に居候とか?
そんなことするなら…」
「違うよ!まぁ友達っていうか…友達じゃないっていうか…
部屋が余ってるっていうから一部屋かりる話になってさ…
まぁ簡単にいえばルームシェア?台所とかお風呂は共同だし」
「へぇ~そんな友達いたのか。で、誰なの?
ミホちゃん?それともユウちゃん?」
「実は…」