アタシとじいさん

「家、どうするんだ?」



ぶっきらぼうに聞くケンさん。


急に話がかわって、一瞬キョトンとしたアタシに「戻るのか?」と一言。





「帰りたくはない…ですね。

しばらくは友達の家に居候させてもらおうと思って。

学校にも宿泊施設はあるし。いざとなったらそこに…」





そこまで言ったアタシに「あのな…」とケンさんが続けた。




「俺ん家、一軒家なんだ。

で…部屋とか使ってないとこあるし…


もしお前がよければ、一部屋貸してやる。


もちろん新しい部屋が見つかれば出ていけばいい。


友達んちがいいなら、それでも構わない。


ただ…やっぱり気兼ねするだろ?いつまでもいられるわけじゃないだろうから。



ウチならいつまでいたって構わない。


俺以外、住人はいないから。


家賃はいらないけど、飯は自分で作ることになる。



それで良ければ来ればいい」




< 65 / 113 >

この作品をシェア

pagetop