アタシとじいさん
ひーちゃんに付き合ってもらって、俺は娘と会うために準備をしていた。
さっきの言葉は、食事の練習中に注意されたこと。
田舎で育った俺は、皿に入ってるスープなんて初めて見た。
味噌汁とはちがうんだな…あれはお椀だもんな。
コーンスープとかいう黄色い液体を見て、そんなことを考えていた俺は、
「ズミさん、冷めないうちにいただきましょう」
というひーちゃんの言葉で意識を取り戻した。
向かいに座ってスープを食べる彼女は、俺のために店を調べてきてくれた。
今時の若い子らしく、友達と夜遅くまで騒ぐのかと思いきや、
こんなじじいと一緒に昼間から買い物したり、飯食ったりと、
ひーちゃんはなんとなく違う。