アタシとじいさん
そんな彼女が怪我したってトミさんから聞いたとき、一瞬頭が真っ白になった。
慌てふためく俺に「落ち着け」と言ったのは、ケンさんだった。
トミさんと電話で冷静に話す彼を見ながら、ひーちゃんの無事を心から祈った。
「あいつは大丈夫だそうだ。重傷なのは彼氏なんだと」
電話をきったケンさんは俺達に伝える。
ひーちゃんの彼氏…確か…
「ケンちゃん…っていう人ですかね?」
ハルが言う。ケンさんが頷くのを見て、
ひーちゃんが楽しそうに話していたボーイフレンドのことを思い出した。