アタシとじいさん
待ち合わせの時間を10分過ぎて、娘がやって来た。
「ごめん」と一言。
「飯でも食べるか」
と言うと「この辺詳しいの?」と聞かれた。
「ひーちゃんと下見に何回も来た」
とは言えず、「それなりに…」と曖昧に答えると、
「私そんなに時間ないんだ。また会社戻らないと。そこのカフェでいい?」
と言い、スタスタ1人で行ってしまう。
「レストラン予約してある」と言えず、娘に連れられてカフェに入った。
ひーちゃん…ごめん!
カフェは時間のせいか、お客さんがほとんどいなく、静かにジャズが流れていた。