君、想ふ。
小さく笑った彼に、ふいにドキリ、とした。
「まず一つ目だが、此処は一体何処だ?」
「私の…部屋です」
「俺を此処へ連れて来たのは、お前か?」
「いえ…。私もついさっき起きたばかりですし、起きれば貴方が私の目の前に…」
一つずつ、質問に答えていく。
「それから、何故お前は俺の言葉が分かる。お前は異国の者だろう」
「え?異国…?いえ、違います。私は日本人です。貴方も日本人でしょう?」
そう言えば、男の人は顔をしかめた。
「嘘を申すな。此処には俺の見たことの無いものばかりだ」
刀がまた首筋に近く。