∑[シグマ]
世界が完全に目覚めた。
それは、朝。
そして此処は、高校。
日本という名称はとうの昔になくなったが、誇り高き日本人はけして文化は捨てなかった。
その一部が、教育なのだ。
「ふぁぁぁ…」
…眠い。机にだらんと倒れる。理由はわかっているから、何も言えないそれでも眠い。この復讐劇は生半可なものではないのだから、致し方ない。
「…皇(スメラ)。…また、逃げられた。」
ふと後ろから声をかけられたので、振り向く。
そこには、眠たそうに目がトロンとしている少女。眉毛の辺りで揃えられた前髪、そして顎のラインで内巻きになっている後ろ髪は、高校生とは思えないほど幼い。それでもその年齢に相当だと思わせるのは、眠たそうではあるが、意志を強く持った菫色の瞳があるからだろう。だけど、この少女はいつもどんな時間でもこういう目をしているので、眠たい訳ではないと思う。
「…ぁあ。見た通り。またやられた。」
「…ださい。」
「ッ…そんなズバッと言わないでくれ…。自分でも、わかってっからさ…。」
「…おはよう。」
そうして、話を遮るように挨拶をしてきた同級生は自分の左隣りの席に座った。
「あぁ…おはよう。」
「…おはよ…」
話の続きをするのがなんとなく、面倒になったので
「…神流(カンナ)。この話はまたあとでな。」
と言った。
「…りょーかい。」
すると素直に神流は自分の席にもどった。
「あ…ごめん。私、話掛けなければよかったかな。」
「えっ…あ、や、全然平気だから。そんな大した話じゃねーし。」
てか、周りに人居ちゃ出来ない話だし。…人殺しの話なんて。
…あいつは人以下の存在だけどな。
「…そう?…なら良かった。」
そう言って、隣の同級生は本を読み始めた。
いつも思ってるけど真面目だよなこの女(ひと)。ビジュアルはすっごく綺麗だし。長い紫がかった黒い髪の毛。朱茶の瞳。なんとなく神秘的なイメージさえ感じさせる。
あぁ…
でもねみぃ…
『キーンコーンカーンコーン』
始業のチャイムが鳴った。
しかし、皇は夢の中であった。
そんな皇を左隣の少女がじっと、見つめているのを知らずに―
それは、朝。
そして此処は、高校。
日本という名称はとうの昔になくなったが、誇り高き日本人はけして文化は捨てなかった。
その一部が、教育なのだ。
「ふぁぁぁ…」
…眠い。机にだらんと倒れる。理由はわかっているから、何も言えないそれでも眠い。この復讐劇は生半可なものではないのだから、致し方ない。
「…皇(スメラ)。…また、逃げられた。」
ふと後ろから声をかけられたので、振り向く。
そこには、眠たそうに目がトロンとしている少女。眉毛の辺りで揃えられた前髪、そして顎のラインで内巻きになっている後ろ髪は、高校生とは思えないほど幼い。それでもその年齢に相当だと思わせるのは、眠たそうではあるが、意志を強く持った菫色の瞳があるからだろう。だけど、この少女はいつもどんな時間でもこういう目をしているので、眠たい訳ではないと思う。
「…ぁあ。見た通り。またやられた。」
「…ださい。」
「ッ…そんなズバッと言わないでくれ…。自分でも、わかってっからさ…。」
「…おはよう。」
そうして、話を遮るように挨拶をしてきた同級生は自分の左隣りの席に座った。
「あぁ…おはよう。」
「…おはよ…」
話の続きをするのがなんとなく、面倒になったので
「…神流(カンナ)。この話はまたあとでな。」
と言った。
「…りょーかい。」
すると素直に神流は自分の席にもどった。
「あ…ごめん。私、話掛けなければよかったかな。」
「えっ…あ、や、全然平気だから。そんな大した話じゃねーし。」
てか、周りに人居ちゃ出来ない話だし。…人殺しの話なんて。
…あいつは人以下の存在だけどな。
「…そう?…なら良かった。」
そう言って、隣の同級生は本を読み始めた。
いつも思ってるけど真面目だよなこの女(ひと)。ビジュアルはすっごく綺麗だし。長い紫がかった黒い髪の毛。朱茶の瞳。なんとなく神秘的なイメージさえ感じさせる。
あぁ…
でもねみぃ…
『キーンコーンカーンコーン』
始業のチャイムが鳴った。
しかし、皇は夢の中であった。
そんな皇を左隣の少女がじっと、見つめているのを知らずに―