保健室の彼

コンディション最悪。
目の下にはくま。

休みたかったけど、
ちゃんと登校した。
今日休んじゃったら、
もう二度と行けなくなりそうな気がしたから。

痛む頭を押さえ、教室に入ろうとした瞬間、背中をバシッと叩かれた。

「よっ!なに葬式みてーな顔してんだよ」

朝からハイテンションなこいつは、滝沢椋。
水嶋先生とは比べ物にならないけど、同じ“リョウ”。

「お前さぁ、昨日一緒に帰ろうと思ったのにどこ行ってたんだよ!」

「あんたに関係ないでしょ」

「相変わらず冷て~。今日は待ってろよ☆」

ウィンクなんかしちゃってる椋を無視して、私は教室に入った。


「今の3組の滝沢君だよね!?川村さんもしかして付き合ってるの!?」

クラスの女子AとB(名前覚えてない…)が、興奮気味に詰め寄ってきた。
「全然!あんなやつタイプじゃないから!」

即答。

女子たちは「そうなんだ~」とか言いながら、安心した顔で去っていった。

あいつ、モテるんだ…。
まぁ、顔はいいもんね。
中身はお子ちゃまだけど。


そんなこんなで時間が過ぎ、5時間目のホームルーム。
クラスの係決めが始まった。

教室がガヤガヤ騒がしい中、
私は何だか気分が悪くなってきた。

寝不足がキテるなぁ…
なんて考えてたら、
徐々に視界が白くなって…

そのまま意識がなくなった。

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