保健室の彼
*秘密2*事情

「待ってろって言ってんのに何でいつも帰っちゃうんだよ~」

今日は、スネちゃま気味の椋と一緒に登校。
椋が勝手についてきただけだけどね。

「あ、忘れてた」

ほんとに忘れてた。
あれから一週間経って、
私は空っぽ状態だった。

白くて綺麗な肌。
ちょっと長めの前髪からのぞく、茶色の透き通った目。
長いまつげ。
薄めの唇。
シャープな小顔に、パーツがバランスよく配置されてる。

背は180くらい。
細身に見えるけど、
ほどよく筋肉がついてるのが、抱きしめられたとき(事故だけどね)にわかった。

低くて甘い声は、クラクラするくらい格好いい。

五年間思い続けた彼は、すごくいい男になってた。

だけど、
たぶん、あきらめるのが正しい。

だって、先生には美人な彼女さん(?)がいて、
しかもそれはうちの生徒だし。
生徒に手出しちゃうなんて、きっと相当な遊び人。

わかってはいるけど、
すぐ忘れるなんて無理。
だから、会わないのが一番。

この前落として来ちゃった学生証を取りに行かなきゃだから、今日は行くけど、
これで最後にする。


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