楽園の姫君
ラナシュが指を鳴らした。
すると、待ち構えていたかのように30歳程の女性が現れた。
「彼女はキース。
アナリの世話をしてくれる。
聞けばここのことも教えてくれるだろう。
キース、頼んだよ」
「はい、かしこまりました、ラナシュ様」
『よろしくお願いします、キースさん』
「キースとお呼び下さい」
『じゃあそうしますね』
「そうだ、あともうひとつ。
この部屋から出てはいけないよ、何が起こるか分からないからね。
それじゃあね、アナリ」
そう言い残し、彼は部屋を出ていった。