楽園の姫君


ラナシュが指を鳴らすと羽根ペンと羊皮紙がアナリアーナの目の前に浮かんだ。

「じゃあ、この羊皮紙にサインしてくれる?
結婚証明書みたいな物だよ。
俺の名前は書いてあるだろうから、その横にね。」


言われた通り、アナリアーナはペンを持って書きだす。
インクもないのになぜか金色の文字が書ける。
これもラナシュの魔法なのだろうか。

「本当は自分の魔法で書くんだけどね。
この紙、魔法じゃないと書けないから。
その羽根ペンに俺の魔力をこめといたんだ」


…どうやら思ったことが口に出ていたらしい。


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