楽園の姫君
それなのに平然としているロイドをまじまじと見てしまう。
「ん?」
ロイドに声をかけられ、呆然としていたアナリアーナは驚く。
『えっ、あっ』
「なんかついてます?」
『えっと、そういうんじゃなくて…
余裕のないラナシュを初めて見たから……
平然としてるのが気になって』
「ああ、ラナシュ様はいつもあんなんですよ。
アナリアーナ様の前ではカッコつけてんですかね」
ラナシュの知らない一面を知り、嬉しく思うアナリアーナ。
そこでこの彼の名を知らないことに気付く。
『あの、お名前は…?』
「あぁ、僕はロイド。
ラナシュの側近と幼なじみやってます」