もう、いいの。

それから、

心臓が平静さを失っていくのがわかった。

意識するほどに、

面白いくらい、心拍数を上げる。


「どうして?」


学が面白そうにあたしを見ている。


「いや・・・結婚したり、

子供持ったりって、

できないんじゃないかなって、

思って。」


「なんだ。

いなかったら立候補とか、

そういうんじゃないんだ。」


ニンマリして、

ヒトの心拍数を、

息苦しいほどに押し上げてくれる。


「結婚式は挙げられる。

一緒に住むこともできる。

相手に子供を産んでもらうとか、

養子をもらうってことも可能だと思う。

けどね、自分では産まない。

だから、自分の完璧な子供は無理だね。

けど、哀しいことに、

オレは子供が好きなんだ。」


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