もう、いいの。
そうやって、あたしは生きてきた。
だから今だって、出来るハズ。
泣くもんか。
目が涙でいっぱいになるのは
わかったけれど、
あふれ出る前に、押し殺した。
「彼女って、ノーマル?」
「あたり前。じゃなきゃ、
男のかっこのオレに惚れないだろ?」
そうか。
「ずっと男の子な自分を
押し殺して生きてきた、
それが報われたんだね。
よかったね。」
すでにビールは空っぽだった。
「大丈夫だよ。今日ここに
連れてきてくれたことで、
きっちり口止め料になってるから。」