もう、いいの。
口走ったっ!?

結局、着替えに帰るほどの時間もなく、

学に服を借りた。

男ものを選んできているみたいだけれど、

体格が女なので、着られる。

それに、

学が私服で会社に行くこともないので、

間違えて着てしまい、

怪しまれることもない。

会社に着くと制服があるし。

実はここの制服も

ひらひらりぼんがついていて、

スカートなのだ。

けれど、あたしは、

営業に出ることもあるので、

パンツスーツで通している。

これは会社に制服として

置いてあるので、問題ない。

すぐにスーツに着替えて、

デスクに向かった。


「ねえ、湯浅。」


右隣のケイコ先輩が、

身を乗り出してきた。


「時田クンって、

カッコイイと思わない?」


いきなりコワイことを訊く。

「そうですね・・・ケイコさん

タイプですか?」


「あたり前じゃない。

あたしは美形好きなのよ。

時田クン、申し分ないじゃない。

私、男くさいの嫌いなのよね。

時田クン中性的で、いいのよね~」


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