もう、いいの。
たしか、この人は、
あたしが入社した時にも
あたしに対して
そんなことを言ったような。
あたしは、ちょっと中性的で、
女にしておくのはもったいないとかなんとか。
まあ、あたしも学も完全女なんですけど。
「それで?あんたは狙う気あるの?」
どうも、それが本題らしい。
「狙うったって…彼女、
いるらしいですよ。」
「バカね。いたからどうだっていうのよ。
盗っちゃえばいいんじゃない。」
学からすれば大分トウの立っているケイコさんが、
彼女から学を奪っちゃえるかどうかは別にして、
ちょっと目からうろこな発言だ。
そうか。
そうかも。
「じゃあ、あたしもケイコさんに黙って
奪わせないかもですよ。」
「なあんですって~!?」
じゃれあってると、
「何が?」
学が割って入った。