もう、いいの。


「あ。いえ、何でも。」


ケイコさんは、

あっさりと引いた。


「えと、時田さん

かっこいいなって話を。」

学は、ニッコリ笑った。


「そう。あちこちで不用意な

発言をしないように。」


あちこちで?

もしかして、あたしが酔っ払って

言ったらしい言葉のことを

言ってるのか??

あたしは急にそれが気になって

仕方なくなった。




あたし、何を言ったんだろう?

もしかして、学に告白したとか!?

でも、いくら朦朧としていたって、

自分が言いたくないことには

ちゃんとロックがかかっているハズ。

催眠術に掛けられていたって、

自分のしたくないことは

決してやらないらしいくらいだから。

けど、

自信ないな。

言ってしまえ!!って思ってしまったのかも。

って。待って?

何を?

あたしは、考えた。

あたしはまだ、

自分の中でも認めて、

いない。

あたしは、

学が、

好きなのか?



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